【レビュー】『キス』の魅力と大人が読みたくなる理由

作品データ
作品名『キス』
形式小説
作者一穂ミチ
レーベルディアプラス文庫
巻数全2巻
総合評価 ★★★★★ (4.9)
ストーリー ★★★★★ / 心理描写 ★★★★★ / 糖度・熱量 ★★★☆☆
目次

3行でわかるあらすじ

田舎特有のしがらみや親との関係に縛られ、鬱屈とした日々を送っていた苑。

はつらつとして悪気のない明渡との関わりの中で、少しずつ心を開いていくが……。

自分の足で自由へと踏み出す決意を描く、切なくも美しい人生の再生の物語。

【レビュー】大人の心に刺さった見どころ

一穂ミチ先生の作品の中でも屈指の切なさと深みを誇る、心揺さぶる名作です。

田舎の閉塞感や家族とのしがらみから解き放たれ、都会での自由へと向かう主人公・苑の心の軌跡が丁寧に描かれており、読後もしばらく温かい余韻が残り続けます。

お相手の明渡は明るく魅力的で悪気はないものの、物語後半に向かうにつれて胸が締め付けられるような切ない展開へ。

特に病院でのシーンは涙なしには読めず、葛藤の果てに大切な決断を下す苑の姿には大人の女性として強く胸を打たれます。

また、yoko先生の美しいイラストが切ない場面に繊細な彩りを添えており、物語の世界観をより引き立てています。人生の痛みに寄り添い、前に進む勇気をくれる一冊です。

こんな人におすすめ

  • 心に深く残る切なく美しい物語を読みたい方
  • 家族や環境との葛藤を乗り越えるドラマに共感したい方
  • 繊細な心理描写と情景が目に浮かぶ作品が好きな方

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